1997年にLeMansに出場したワークスPORSCHEの1台。前年のLeMansで衝撃のデビューを果たした911GT1の進化型で、意匠の各所にデビュー目前だった996型911のディテールが見て取れる。#25はレースの大部分を支配しながら午前4時過ぎに、よりにもよってPORSCHEコーナーでスピンしクラッシュ、リタイア。僚機の#26はトップを走りながらも残り1時間40分というところで炎上。とことんツキのなかった車である。PORSCHEのLeMans制覇は翌98年の911GT1によって成されるが、既にGTカーとは言いがたい、さらには911とは呼べないような形へと進化(変化？)してしまうこととなる。
96年型911GT1と違い、97年型の911GT1はあまり発売されていない。唯一見つけたUT Modelsの97年型FIA-GT選手権仕様にRENAISSANCEから発売されているデーカルを組み合わせて製作。リアウイングの翼端板が小さかったのでプラ板から作り直した以外は素組みである。UT Moldesは既に倒産してしまったメーカーだが、あちこちで山積みになって売られていたので比較的入手は容易だった。外国産のモデルとしては組みやすいモデルで、前輪が固定であることを除いて国産モデルと遜色なし。微妙なパーツのズレさえ克服すればお奨めの逸品といえるだろう。
※LM2出展作